「冬〜。今日は何食べるん?」
「ん〜唐揚げ定食も飽きたし……。あれにしよっかな」
日番谷が指差すモノ。
それは『本日のオススメ』と書いてあるミートスパゲッティー。
「美味しそうやね。じゃ僕は焼き魚定食にしよ」
二人仲良く注文して、出て来た昼飯を持ち席へと付いた。
「腹減ったっすね〜」
「早く食べようぜ」
日番谷等が席に着いた丁度その頃、腹の虫をグゥグゥ鳴らした阿散井と檜佐木の二人も食堂に来て居た。
「あ!」
阿散井と檜佐木のの視線の先、そこには日番谷と市丸の姿。
それと同時に、日番谷の横の席が空いている事に気が付き合席しようと近付いて行く。
「―――?!!」
後少しで声が掛けられる距離なのに、二人はそれ以上歩を進めない。
目の前に広がる、信じ難い光景。
そのせいで動こうにも動けないジレンマに襲われたのだ。
「コレ美味い。…食うか?市丸」
「ほなちょうだい」
パクッッ!
日番谷は自分の食べていたスパゲッティーを上手にフォークに巻き付け市丸の口へと運んでいた。
「……マジ??」
阿散井は目を点にしたまま言う。
「あっちで食おうぜ……」
檜佐木は二人とは正反対の角のテーブルを指差し、しょぼしょぼと歩いて行ってしまった。
その後ろを付いて歩き、阿散井は溜息混じりに話し出した。
「はぁ〜…。俺もあ〜〜んってして貰いたいっす」
「俺なんて付き合ってた時さえしてもらえなかったんだぞ……」
「……それキツイっすね」
「うるせーー…」
情けない位に肩を落とした二人は影を背負いながらも席へと付き、黙々と御飯をたいらげていった。
一秒でも早く、この居た堪れない空間からおさらば出来る様に。
「冬〜この魚も美味しいで!」
「ん…旨い」
「良かったわ〜」
End
普段ツンツンしてるひっつんの、無意識の愛情表現
これ、結構萌えません?
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