「市丸…」

「どないしたん?」


「…しよ?」



そろそろ皆が寝静まる頃だろうか。廊下の灯りも消え始め、本格的に夜の始まり。

ギシリと畳の軋む音が聞こえるは、市丸ギンの私室。大人一人が眠るには丁度良い布団に影二つ。
一つは立派な大人の影、もう一つはその半分もいかない小さな影。

覆い被さるように、ゆっくりと倒れれば月明かりに映し出されたそれは一体と成して。

「珍しいなぁ。冬から来るなんて…」
「…嫌か?」
「まさか…」

ちゅっちゅとリズムよく、朱に染まった柔らかな頬に口付けを。
大きな瞳をぎゅっと閉じ小さな手は市丸の襦袢を握り、頬だけに留まっていた唇はキュッと閉じられた可愛い唇を抉じ開け始めた。

「ぅん…ふっ…」

段々と荒くなる呼吸。閉じた瞳からは真珠のような雫が零れ落ちる。

舌を深く突き入れ逃げようとすれば吸い取り、仰向けとなっている少年の口から溢れた涎が頬を伝い落ち。

「あっ、やぁっ…」

重なる唇の隙間から甘い声が漏れ始めた。

「まだキスしかしとらんのに…」

捲られた襦袢から覗くのは、期待に蜜を漏らす少年のそれ。触れるだけだった手は確実に扱きを開始して。

「あぁっ…や…市丸っ」

優しく撫でるように愛撫して、我慢が出来ないのか少年の腰が僅かに浮き始めた。

「なんや…触るだけじゃ満足できひんの?」

ニタリ。舌舐め摺りをした市丸は鎖骨に吸い付いていた唇を離し、下へ下へ。

「ひゃっ?!あぁっ…」

蜜を垂らすそれを銜えてやれば、聞こえるは甘い甘い喘ぎ声。

「あ…あっ…」

程なくして、小刻みに震える小さな体。
何回もして来た行為。彼の限界なんて聞かなくても分かる。

「ええよ。出し」
「ふぁ…あぁっっ」

先端を強く吸ってやれば、呆気無く欲を吐き出した愛しい子供。呼吸も間々ならず、火照った体を小さく痙攣させている。

ちゅ、と触れるだけのキスをした後、グッタリとしている体を持ち上げ座位へと持っていく。

先程からの蜜のお蔭で滑りが良くなった蕾を解きほぐして、子供では無理があるであろうそれを入れるためゆっくりと時間をかけて開拓する。

「も、入れて…」

顔を真っ赤に染めた日番谷からの催促の言葉。しっかりと腕を後ろへ回し、しがみ付いてくる。

それを合図に、反り立った大人のそれを宛がい一気に中へと突き入れた。

「んあっ、あぁっっ…痛っ…」
「キツ…」

元々無理のある行為。だけどそれは最初の時だけで。

「あっ…市丸っ、気持ち…いいっ」
「冬のここ、いっぱい締め付けてくるで?」
「やだっ…ふあっ…」

徐々に深くまで入るそれ。
日番谷の善がる部位を執拗に攻めて。

「やっ…ダメ、いちゃうっ…」

限界に来たのであろう少年口から何時もの合図。

「僕も限界や…一緒にいこな」

座位だった体制からそのまま布団へと倒れこむ。律動を激しくし、絶頂へと導いて。

「あっ、ああぁぁっっ」

一際高い声を出し、日番谷は精を放った。市丸もまた、少年の中へ自身の欲を流し込んだ。





肌蹴た襦袢を調えた二人は仲良く布団へと潜っていく。

「また冬から誘ってな」
「気が向いたらな」
「明日でもええよ」
「無理」

可愛げの無い台詞を吐き捨てる日番谷。しかし、その小さな手はしっかりと市丸の手を握っている。

「大好きや…冬」
「俺も」

軽いキスをして、微笑みあった二人。握った手は離さずに仲良く寄り添って眠りに着いた。

End



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